多様性を受け入れるおもてなしを提供とバイアスへの対処
注目ポイント
偏見は潜在意識のレベルで主に存在する
客観的な基準を用いて、宿泊希望のゲストを評価する
対策として意思表示をして、すべてのゲストに対して同じ基準を用いる
Airbnbは、旅が人と人のつながりを築き、よりオープンで多様性を受け入れる世界を育むと考えています。差別はそうしたつながりを阻む大きな壁となるため、きちんと対処することがとても重要です。
Airbnbは、社会心理学研究の第一人者であるハーバード大学Robert W. Livingston博士とローレンス大学Peter Glick博士の協力を得ながら、ホストやゲストのみなさまに差別とそれを生む偏見に関する理解を広める取り組みを進めています。本稿のガイドラインと対処は、両博士の調査研究をもとにまとめました。
偏見と差別の違いとは?
「偏見」とは、人種、宗教、国籍、民族性、障害、性別、性自認、性的指向、年齢などの属性をもとに、個人に対して抱く感情や思い込みを指します。「差別」とは、相手の属性をもとに、その人に対してほかの人とは異なる扱いをすることを指します。偏見がすべて差別につながるわけではありませんが、通常は差別を生む出発点となります。
無意識の偏見とは?
偏見は潜在意識(無意識)のレベルで主に存在し、「潜在的偏見」と呼ばれることもあります。 潜在的偏見は、人の扱いに影響を与えることがあり、本人も無意識のうちに差別してしまうことさえあります。
ジェンダーバイアスとLGBTQへの偏見
ジェンダー(性別)による役割分担は、社会に根深く根付いており、ほとんどの人は意識的かどうかに関わらず、それを前提として人のあるべき行動を判断しています。 ジェンダーの固定観念は、自らのアイデンティティが社会通念と異なるLGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クエスチョニング、クィア)の方々に大きな影響を与えます。
LGBTQの方々におもてなしを提供することは、その意見やライフスタイルに同調していなくても可能ですし、これは性とLGBTQの問題に対する個人的な立ち位置がどうであれ、忘れてはならない大事な点です。
ステレオタイプの影響
偏見が露わになるのは、ステレオタイプで決めつけるときです。 ステレオタイプとは、特定タイプの人について、一般に広く信じられているものの、一面的過ぎたり誇張が激しいイメージや観念を指します。 自ら意識している場合、していない場合を含めて、ステレオタイプな考え方はある程度、誰にでもあります。 ある集団をステレオタイプで一括りに語る行為は、往々にして差別を生みます。これには無意識の侮辱から不当な処遇に該当する深刻なケースまであります。
実践できる予防対策
差別はAirbnbのコアバリューとは相容れないものであり、Airbnbプラットフォーム上では禁止されています。差別は暗黙のバイアスによるものであっても、抑制・回避することができます。
偏見と闘い、多様性の受け入れを促進するコミュニティをつくるために、各ホストが実施できる取り組みをいくつかご紹介します。
- 宣言する。すべてのゲストを受け入れることをプロフィールに明記しましょう。これにより、あらゆるゲストを歓迎することをゲストに伝えられるだけでなく、多様性やそれを受け入れることの素晴らしさをほかのホストに示すこともできます。
- すべてのゲストを同じ基準で評価する。客観的な基準を設定し、ゲストの受け入れを検討する際には毎回その基準を用いましょう。たとえば、日程の都合やゲストが希望する宿泊人数に対応できるかなど、状況によって基準が変わってしまうと、意思決定に偏見が入り込む可能性があります。
- 判断は意識的に行う。ゲストを承認または却下する前に、その理由をよく考え、自分が設定した基準をもとに説明に落ち度がないか厳しく自問自答しましょう。また、ゲスト本人を目の前にして却下理由を抵抗なく伝えられるかどうかを考えてみましょう。
- ステレオタイプを捨てる。暗黙のバイアスをなくす効果が実証されている数少ない方法のひとつは、ステレオタイプを打ち壊す体験や情報を探すことです。コンフォートゾーンから抜け出して、さまざまな背景を持つ人々や多様なコミュニティに属する人々と出会い、自分とは異なる人生を歩んできたAirbnbゲストを受け入れましょう。建設的な関わり合いや社会的交流を持つことで、偏見を軽減させることができます。
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注目ポイント
偏見は潜在意識のレベルで主に存在する
客観的な基準を用いて、宿泊希望のゲストを評価する
対策として意思表示をして、すべてのゲストに対して同じ基準を用いる